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政府が今国会で提出している都市再生二法(都市再生特別措置法案と都市再開発法等の一部を改正する法律案)は、都市の再生を国家的課題として位置づけるものであり、次のような問題点がある。 第一に、都市の一部の地域の開発に関わることは本来地域的課題であり、今回の都市再生二法は都市計画が地方公共団体の自治事務と明確に位置づけた分権改革に逆行するものである。都市再生緊急整備地域を政令により都市再生本部が指定するという方法は、自治体が意見を申し出ることができるとはいえ、高度成長期の地域開発手法であった新産業都市建設促進法を彷彿とさせるものであり、自治体の国への依存・従属を助長するものである。新産業都市の指定が当初の資本の集中投下の意図を達成できず、地方のゆすりとたかりによって指定地域がずるずると拡大し、結果として非効率な国土・都市づくりに至った愚を繰り返してはならない。 加えて都市再生特別地区は、既存の都市計画・建築基準法の枠組みをはずす開発特区であり、これまで政府の公式見解としてきた財産権の規制は全国一律という考え方を自らくつがえすものである。にも関わらず、最低限の土地利用規制を免れる開発特区を、既存の都市計画の枠組みのみで策定しようとする手続きは、国家的課題を一自治体と民間開発事業者の協議に委ねようとするもので、開発圧力により自治体に都市計画の放棄を誘導するものである。むしろ、国家的課題として一地域の再生を図るのであれば、国民的注視と議論の対象とするべきであり、その際当該地域の居住環境の向上に本当に資するものなのかを明確な情報として提供すべきものである。 第二に、今回の都市再生二法は、経済の活性化の手段として都市開発を活用しようとするもので、その手法として規制緩和による土地の流動化をめざすものである。無秩序な地価高騰と地上げ屋の横行を巻き起こした80年代のバブル経済の過ちを繰り返すことが危惧される。土地収用権の付与を伴う第2種市街地再開発事業の施行者に、株式会社や有限会社を加えるという都市再開発法の改正案は、トンネル会社が濫設され地権者も巻き込む形で行われた地上げを呼び起こすものである。国家的課題を担う公共的な役割を与えられる都市再生事業者には、通常の会社法以上の市民的統制が与えられて然るべきである。むしろ、当該企業の地域的社会的貢献を誘導する措置が望まれる。 都市再生特別地区の提案権を民間都市再生事業者に与えることも、過大な開発計画を誘導し、結果としての経済活性化に反する幻想を与えるものである。オフィス供給の過剰化という2003年問題はいうまでもなく、経済の活性化は国民経済全体の調整と構造改革によって可能となるものであり、その手段として百年の計である都市計画を利用することは、将来にわたって禍根を残すであろう。都市の将来像を地域住民の時間をかけた公共的な討議によって定めるのではなく、近視眼的に市場原理に委ねようという発想は、わが国における都市計画の放棄であり、国際的にも恥ずべき醜い都市を作り出すものとなろう。 |
掲載 月刊ランポNo.50 2002年3月8日 |