第4回分科会 審議内容(概要)
C. 国交省の「考え方案」(資料5) 及び カテゴリー別意見

 
資料5 密集市街地の効果的改善方策について(考え方案)

1.密集市街地の現状と課題

 整備すべき密集市街地
  ・公共施設が未整備、小規模敷地、耐震性・耐火性の低い老朽木造建築物の存在
  ・全国で25,000ha(うち東京都、大阪府で各々約6,000ha)
   →全て全面改造を行うのは困難


2.密集市街地改善の方向

(1)防災性確保のための目標の明確化
  ・不燃領域率等の目標数値を定め、重点的に改善すべき地域に施策を実施

(2)防災環境軸の緊急整備
  ・密集市街地内にある都市計画道路等とその沿道の不燃化された市街地の整備を「防災環境軸」としておおむね500m間隔を目途に緊急整備
  (東京都の場合) 道路整備済130km+新規整備40km=170kmの整備(2015年頃を目途)
  ・このため、区画整理、再開発等各種事業を組み合わせ集中実施(公団等も適切に活用)
   →敷地の共同化、民間施行の推進等が図られる各種制度改正
  ・誘導容積型地区計画等の都市計画制度の活用

(3)住民主体の防災まちづくりの推進
  ・住民に対する地区防災性能の公表による住民意識の高揚
  ・NPO、コーディネータの派遣等の技術的支援の強化
  ・防災街区整備地区計画の活用拡大のための制度改正
  ・建替事業にあわせた柔軟な敷地整序手法の普及等

 

カテゴリー別発言内容

修復型再開発 v.s. クリアランス型再開発

・ それぞれの地域では状況が違い、一例に全てを集約しても駄目だ。
・ 計画性のないまちづくりは、危険だし例えば移動距離が長い等で済みにくい。人口が減少している今、部分的に変えるのではなく全面的に変えるべきだ。震災があったらどうするか、全体の見取り図を作った上でやるべき。
・ 木密地域を建て替えるのに18兆円かかるということだったが、23区の都市計画道路だけで6〜7兆円かかるのだから、それほど多い金額ではない。しかも初動資金はかかっても、1階を4階にして、2階は地権者が住み、あと2階は他の人が住むという形で、順繰りにやっていけば一度に18兆はかからない。どうせ、建て替え時期にきているものもある。集合住宅に住んでも良い人はそちらに移ってもらったらいい。ただ、住民には現状維持をしたいと思う人も多いので、別の機関で計画を立てるべきではないか。
・ 前記意見に賛成。国交省が描いているビジョンは素敵。
・ 山手の木密はチャンスであり、この機会に高層住宅をつくり、子どもを育てながらワークシェアリングのカップルが住めるようにして欲しい。
・ 民意を反映して少しずつ分権化して進めるのか、それとも大々的にやるのか、はっきりしない。
・ 一言で防災まちづくりといっても、一律ではない。網羅的に変えることは、無理だし必要もない。ハード的に危ないところでも、住民の意識というソフトの部分で十分補っている地域もある。現在の建築確認は指導行政が拡大されたもので、ハード的な安全性のみが強調されている。
・ 木造密集地は、人に住みたいと思わせるような界隈性があり、都市空間論的・歴史的にもおもしろい。向島路地村的なまちもなければならないのではないか。
・ 木密が本当に問題なら、既に空室が発生しているはずだが、そこには自分の住む場所を愛して住んでいる人が住み続けている。
・ オータナティブ(別の選択の余地)を用意しつつ開発してきた例として向島がある。そうした小さいものをつなげていく改善型まちづくりは、以前はなかなか進まなかったがそれはコンセンサスができていなかったからであり、資金がなかったからだ。技術・人・金の支援をすることにより進めることはできるはずである。また一点を押さえると民間投資は進むはずで、そうした連鎖型の開発が望ましい。
・ 平面利用にこだわっていては駄目。日本だけこんなに低層住宅で、地震に弱く、このままでは、ヒートアイランドはひどくなる。10階、20階、30階にすれば、大きな公園もできる。グリーンベルトに戻しつつ、2〜3倍の容積の建物にすることは可能だ。高速道路を地下にする代わりに、高架にすれば、資金をまちづくりに投資できるはずだ。


防災と環境(「防災環境軸」)

・ 防災、環境を含め大きな意味での捉え方の再検討が必要だと思う。
・ 「防災環境軸」という概念は、道路に関することも一緒に考えられて良い。
・ 白髭防災拠点は防災だけのまちで本当にがっかり。住みたいと思えない。アメニティとしてトータルなまちづくりをすべきだ。
・ 今までのは「とりあえず」の防災計画だが、今回のプランは、防災も入れた、環境も入れた、都市のインフラをきしっとやろうという切り替えとなっていて賛成。
・ 再開発したあと、どういう人が入るのか。多分、木密の人は戻ってこないのでは。外から入ってくるなら、コミュニティーは喪失するだろうし、オフィスにすればまた問題。防災とは自然防災だけでなく、犯罪からの防災も含むはず。セキュリティー対策必要。
・ 今回提唱された防災環境軸という概念はパラダイムの変換であり、意義がある。
・ 防災環境軸がどのような公共性を持っているのかうまく伝わっていないのでは。これは、近隣住民の安全を確保するための公共性で、従来は都市計画が積極的でなかったところだ。それを、今までのメニュー的枠内ならどこまでできるかを考えるのか、それともNPOなりが納得してやるのがいいのか。



縦割りを取り払った総合的計画の必要性

・ 自治体が、自治体自身で考え、定着させられるしくみをつくって行かなくてはならない。また資金が現場のニーズとあっていない場合も多い。縦割りを取り払いことが必要。例えば福祉等も含めて自治体対応できるようにすべき。現場にあった財源のしくみを作っていけるようすべき。住民自身がどうするか決めていく方がかえって動きが速い。例えば10年で相当動くはず。
・ 全体を考えてプランを立てて欲しい。例えば、緑地目的の公園と防災公園が別々にできて、ポケットパークになってしまい、つまらない公園ばかりになってしまう。縦割りをやめて、予算と計画が連動するしくみが欲しい。
・ 建て替えの時、セットバックして建てても、本当にいつ道路が拡張されるかわからないと税金の無駄遣いのように思えて住民はついてこないと思う。スポット的にお金を出すのではなく、いつまでに何をつくるという目標をはっきりさせるべきだ。
・ 既にもう自治体で良い例を作っているところもある。例えば、彦根は歴史的な街並みと商店街の活性化がうまくいった。
・ それぞれの地域の特性をいかしてやっていくべき。しかし、計画によってどう住民の生活が変わっていくかを考えると、国交省の枠を超える。
・ 自治体が、技術・人・金を自由に使ってトライアルを重ねていくことができるしくみづくりがより強調されるべきだ。共同住宅の改修補修にも、自治体が介入して、金銭的にも補助すべきだ。



住民参加

・ 今までは、国が制度しくみを考える「天動説」が主であったが、住民主体で考える「地道説」的考え方も重要になってきている。
・ 資産を持つ人メリットが今ひとつよくわからない。
・ 国家レベルと民間レベルの真ん中あたりに動かない部分があるのでは。それを総合的しくみに消化してこのペーパーで説明すべきだ。


その他

・この分科会の進め方だとまるで、東京都国土交通省になってしまう。
・ 行政側が市街地に対してマクロの評価をするのは、住民にとって自分たちの住んでいるところの状況を知る上ではよいが、ただ、混乱しないようにしたほうがよい。
・ 経済的な問題と使われ方の問題がある。例えば、地下の利用についてだが、災害の際ライフラインがすぐ駄目にならないよう、貯水・備蓄・自家発電等、複合的防災拠点として地下を活用すべきだ。
・ 高齢者は移りたくないと決めつけていないか。例えば佐賀には無数のマンションが建って高齢者が移ってきている。一方、建て替え需要はないという意見もある。何故建て替え需要がないのか、というWhyを追究すべきではないか。
・ ここでの議論では、また道路がつくられるのかという気がしてしまう。個人住宅が何故こんなに密集したか、住民は何を考え望んでいるのかを考えて全体的なプランをたてるべきだ。



「防災環境軸」に関する事務局側の説明
交通を円滑にするだけでなく、例えば歩行者用道路を広げるとか、生活と関わりのあるもの。

 

 

社会資本整備審議会第4回都市計画分科会議事録(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/singikai/infra/city_planning/4/images/011121.pdf


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