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事業報告


カレッジランポ2004-J(2004年5月22日開催)
公募市民会議は市民参加をどう変えたか


0. 本日の目的 庄嶋孝広(東京ランポスタッフ)

 本日の進行にあたっては、「先行事例の経験をもとに、公募市民会議について、 1.どのような特徴を持つ市民参加手法か 2.課題は何か を探る」ことを目的としたい。

1.公募市民会議への視点 庄嶋孝広(東京ランポスタッフ)

 公募による市民参加には、いくつかの形態がある。まず、審議会・委員会等に、学識経験者、町内会・自治会代表、関係団体代表などに加えて公募市民が入るケース。東京ランポが2000年に行った、東京・埼玉・千葉・神奈川の市区143自治体を対象とした、審議会等における公募委員に関する調査では、有効回答のあった129自治体のうち110自治体(85%)に、公募委員を採用する会議があることがわかっている。次に、自治体のコミュニティ政策のもとで、小学校区単位などで設置されたコミュニティ会議に、町内会・自治会代表、関係団体代表などに加えて公募市民が入るケース。そして、本日のテーマである、全員または大半が公募市民であるような公募市民会議のケースがある。
 公募による市民参加が行われる理由を、参加の場を設ける行政の必要性から考えてみる。首長と議会を選挙する代表民主制のもとでの自治体運営ではあるが、個々の課題の解決のためには、当事者や対象地域の市民の意見を聞く必要もある。その際、「どこまでやれば市民参加は十分なのか?」「市民の声とは誰の声を聞けばよいのか?」といったあいまいさがあり、交渉相手となる市民の確定、言い換えると擬似的な市民空間の設定をする必要が生じる。一口に「市民」と言っても、町内会長や関係団体代表など、行政から「見える市民」もいれば、それらの既存団体では把握しきれないところで活動する「もの言う市民」もいるし、圧倒的に多いのは「サイレント・マジョリティ」である。従来の市民参加では、行政は「見える市民」が住民を代表していると見なして交渉してきたが、公募することによって、近年増えてきた「もの言う市民」にも参加の扉を開いてきたと言える。
 公募市民会議という呼び方は、東京ランポが始めたものなので、まだ一般的なものではないが、今後広めていきたい。厳密な定義はまだ行っておらず、「全員もしくは大半が公募市民である会議」とだけしておく。例えば、全員公募ではあるが15名限定で、委員になるにあたって選考を行うといった会議の例もあるが、本日の時点では、このようなケースも含めておく。いずれにせよ、公募市民会議は、市長部局にとっての市民との「新しいコミュニケーション手段」であると言える。
 では実際にどのような事例があるのか、私が仕事で関わったものやホームページで見つけたものなど、ほんの一例を表にしてみた。公募市民会議には、大きく分類すると、条例や計画の策定過程にあって提言や素案を作成するといった、はっきりとした目的をもっている「単一目的の会議」と、恒常的に設置され、特定の条例や計画の策定過程と直接には結びついていない「単一目的でない(常設)会議」とがある。本日ご報告いただくもののうち、「大和市自治基本条例をつくる会」と「みたか市民プラン21会議」は前者、「志木市民委員会」は後者になる。また、「志木市民委員会」は後者のなかでも、市長から随時出される課題にも回答する点で、行政テーマ別に研究会的な活動を行うことに限定されている伊勢崎、日向、高石のような事例とは異なっている。

 本日、公募市民会議の先行事例を分析していくにあたって、5つの視点を提供したい。

視点1 どんな人が参加しているか?
 東京ランポが2000年に行った審議会等における公募委員の調査では、多様な人材が参加することが、公募の意義の1つであることがわかった。では、全員または大半が公募市民であるような公募市民会議では、性別、年齢、職業、市民活動や地域活動の経験などの点で、本当に多様な人材が集まっているのか。

視点2 会議はどのような役割を担っているか?
 代表民主制は、首長による行政決定や議会による議決など、決定段階における民主主義を保障するものではあるが、決定に至る前の討議段階の民主主義が不十分であると言われている。公募市民会議は、そのような討議段階に位置づけられる仕組みであると考えられるが、そういった会議の位置づけ、成果物の扱い、委員委嘱やパートナーシップ協定といった会議の地位保障は、どうなっているのか。

視点3 会議はどのように運営されているか?
 公募市民会議は、何十人、何百人という規模になる。そのような人数が多いことからくる、運営の難しさがある。また、行政の担当職員だけで事務局的な裏方作業を行うのは、ほぼ不可能である。開催頻度、出席状況、合意形成の仕方、委員(メンバー)と職員の役割分担などは、どのような実態なのか。

視点4 市民一般、地域コミュニティ、議会とのやりとりはあるか?
 たとえ数百人集まったとしても、市民全体から見ればごく一部には変わりない。参加していない市民一般、町内会・自治会などの地域コミュニティ、市民の代表機関である議会など、会議の外とどのような関係を持っているのか。

視点5 解散後の委員(メンバー)の活動はどうなっているか?
 東京ランポが2000年に行った審議会等における公募委員の調査では、公募委員を経験した人たちが、会議解散後にも自主的な活動を継続して、公共活動を担うようになることが、公募のもう1つの意義であることがわかった。公募市民会議の場合の、解散後の具体的な活動事例、解散後の行政との関係などはどうなっているのか。

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(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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