カレッジランポ2004-J(2004年5月22日開催)
公募市民会議は市民参加をどう変えたか
2.事例報告
◆志木市民委員会・・・予算編成まで行った「常設型」 望月泰宏さん(第1期会長)
庄嶋コメント 単一目的でない(常設)タイプでは、本格的な最初のもの。平成15(2003)年度には予算編成まで行った。
40年間、塾を経営してきた。ここ数年は、NPOでフリースクールも運営している。NPOに関する研究会にも参加している。
配布資料の8ページに、市民委員会がやってきたことの一覧がある。市長への相当数の提言も出してきた。
しかし、はじめの時点では、予算編成も含めて、そんなところまでやれるとは思っていなかった。最初から、何々をやろうという目標があって始まったわけではない。参加した人には、文句を言いたい人も、注文したい人も、義理で入った人もいる。最初は小学生のケンカのようで、「会長は市長の代わりか?」と思うようなきつい場面もあった。
ただ、これは面白いなとも思った。これまで市政に参加してきた場面では、いつも失望感があったが、今回は、「927事業の見直し」ということが示されただけで、他には何もなかった。普通の市民参加にはシナリオがあり、行政にとって都合のいいアリバイ証明になるが、今回はシナリオがないことは大変ではあるが、自分たちで創り上げていくという考えになれた。
2年数ヶ月のうちで、ターニングポイントは、規約や基本ルールを委員でつくったことである。とは言え、登録者252名のうち実働でも180名くらいは出ているので、物事を決めるのは大変である。部会長会議と各部会とのやりとりを2ヶ月くらい繰り返して、時間をかけてとことん揉んだ。しかし、この過程が、委員一人ひとりに市民委員会とは何かを理解させることになった。
職員には、若くて優秀な人たちがいる。相手が市民委員会の会長だからと言って遠慮せず、激論をする。また、市民委員会とのやりとりのなかで、情報を公開することを職員が学んだ。当初は、市長が出していいと言っても迷っていたが、「情報公開すれば責任を市民委員会にも持ってもらえるので楽だよ」と言ってあげた。しかも、情報公開にとどまらず、「情報共有」になったのがよかった。これは、職員が主体的に動かないとできないことだ。
市長については、説明責任を果たすところがすごい。また、各部会にもマメに来る。部会の視察旅行にも、わざわざ遠くの出張先から駆けつけたこともあった。
委員が規約や基本ルールをつくる過程で学習したこと、職員が情報共有をしたこと、市長が説明責任を果たしたことの3つが、市民委員会がここまでやってこれた大きなポイントである。予算編成もその3つがあったからこそできた。
市民委員会のような場は、ややもすれば行政との対立型、あるいは行政主導のアリバイ証明になりやすい。会長として気を遣ったのは対立構造にしないことだった。
担当していた職員は、自分の子どものような年齢のような人たちだが、これからの志木市を担うのは若い職員である。若い職員が育つことが楽しみであり、市民と協働することを楽しいと思ってもらえたのではないか。
「第二の市役所」が、市民委員会を表すキャッチフレーズだったが、最初はよくわからなかった。しかし、予算編成を行ったときに「第二の市役所」になれたと思った。なぜなら、政策を形成するプロセスに入ったから。NHK『クローズアップ現代』で取り上げられたときは、予算を削った話ばかりが強調されていたが、市民委員会が提案した新規事業も採用された。
さて、最後に課題を4つ挙げたい。1つめは、委員は発言にリスクを背負う必要があるということ。例えば、市民委員会の提案で予算を削ることになった場合、それで困る市民もいることを知っておかなくてはならない。2つめは、勉強すればするほど委員が専門化してしまい、市民一般の感覚から乖離してしまうという自己矛盾があること。3つめは、市民委員会以外の市民にどう情報を発信できるか。会報、HPなどで情報発信してきたが、それだけでは十分でない。
4つめは、第2期は、1期目がこうだったから2期目もこうだと考えるのではなく、自分たちはこう考えるというやり方をすることが大切である。第2期をどうするかは、もう一度最初から議論していいのかもしれない。そうでないと、第2期では馴れ合いになり、行政の都合のよい会議になる危険性がある。だから、会長・副会長は第1期から継続してはいけないということで、部会長は3人だけが継続したほかは交代し、年齢的にも若返った。
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(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)
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