カレッジランポ2005(2005年12月10日開催)
市民参加条例の効き目を検証する
4.報告事例をもとに市民参加条例を検証
冒頭で提示した「市民参加条例の検証の視点」に沿って、報告者に市民参加条例の運用状況を検証してもらった。その検証の内容を聞いて、会場から意見を出してもらった。
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市民参加条例の検証の視点
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○量的に評価するもの
行政が実施する方法(審議会等の公募委員の採用、パブリック・コメントなど)
(1)行政は条例通り実施しているか
(2)市民は反応しているか
(3)行政は市民の反応に対応しているか
市民が自主的に活用する方法(市民政策提案手続、住民発議による住民投票など)
(4)市民は活用しているか
(5)行政は市民の活用に対応しているか
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和光市 加藤さん
(1)条例は最低限のルールを定めているものであり、条例通りに行うことはもちろんであるが、それ以上にどうやって行っていくかが大切である。1以上の方法を行えば条例通りになるが、なるべくそれ以上行うようにしている。
(2)人数的には表を見て、ご判断いただきたい。質的には同じような顔ぶれという問題点がある。
(3)パブリック・コメントについては、市民意見の反映状況などを公表している。審議会等で提言などの形で出されたものが、どの程度反映されたかは把握していない。
(4)市民政策提案と住民投票請求は、現状のような状態となっている。活用の難しさがあるのかもしれない。
(5)総合体育館建設凍結の是非を問う住民投票の請求については、議会で否決された形ではあるが、請求した市民からすれば報われない結果となった。しかし、請求されたことによって、関心は高まったと言える。
狛江市 金築さん
(1)数値を見れば、実際できていないところもまだある。例えば、公募委員を採用していない審議会もまだある。市民協働課から指摘して、次回の任期では公募を行うとの返事をもらっているところもある。会議の公開や会議録の公表もまだというところもある。
(2)多くの市民は条例ができたことさえ知らないのが実態である。普通に住んでいるだけでは知らないというのが、一般的な市民の意識であろう。ただ、何か意見があるときに行政が受け付ける体制があることが、この条例の一番根本的なところである。
(3)対応は精一杯やっているが、十分に市民参加がやれていないで言い訳になっていることもある。まだ理想的な条例ではなく、苦しい部分もある。
宮代町 伊東さん
(1)公募期間が短かったなど、実際にはルールを守れなかったものもある。状況によっては、条例があっても対応が難しい点がある。
(2)公募で50名くらいが参加した会議には、新しい顔ぶれが見られた。条例のおかげというより、会議のテーマへの関心が高かったと理解しているが、新しい顔ぶれが見えてきているということで希望はある。
(3)各課には条例に基づいた対応をするようにプッシュしている。現実に対応できたかは別としても、仕事のなかには活かされていると考えている。
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市民参加条例の検証の視点
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○質的に評価するもの
(6)対象にふさわしい方法がとられているか
(7)市民が力を発揮できるよう運用されているか(会議の進行など)
(8)市民参加の結果が行政活動に影響を与えているか
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宮代町 伊東さん
(6)1以上、ないし複数やらなければいけないとなっているが、どんな方法をとるべきかの判断は難しい。市民参加推進本部で正しいと思って判断しているが、事後的に市民参加推進・評価委員会で異なった意見が出るというのはあるかもしれない。
(7)「全体的な評価及び検証」として、会議の進行状況、発言しやすいか、検討期間などを、4つの審議会を対象に評価している。全部を詳細に評価することはできないが、少しでもやることで他にも影響が出るとよいと思ってやっている。その評価に期待するしかない。
(8)答申を尊重しなくてはならないとの規定を設けている審議会もある。「尊重」の解釈が難しいが、「最大限活かす」という規定を設ける審議会もあり、影響を与えていると思っている。
狛江市 金築さん
(6)和光市、宮代町のように1以上の方法をとると規定しておらず、適切な方法を実施すると規定しており、柔軟ではあるがあやふやな面もある。マニュアルにまとめて、どんなときにどんな手続きをとらなくてはならないかを決めているが、判断が難しい。いまはまだ完全ではなく、評価のなかで、こうすべきだったという判例をつくっていって対応するしかない。
(7)試行的に行った公募委員を対象としたアンケートからは、検討時間が短い、勉強会が十分にできない、どこで発言してよいかわからなかったなどが見えてきた。今後、まだまだ工夫が必要だと考える。
(8)市民の目からはまだまだというところはあるだろうが、影響を与えていると思う。
和光市 加藤さん
(6)ふさわしい方法であるかという検証は行っていない。但し、条例で定めている方法にはそれぞれ特徴がある。審議会等は一定の市民が時間をかけて議論して合議によるもの、パブリック・コメントは案ができた段階で広く市民に意見を聴くものである。市民の意向を把握するためにアンケートを初期に行い、並行して審議会等で意見を積み重ねながら、最終的に案のパブリック・コメントを行うなど、方法の特性を見極めながら、どの時期にどの方法を行うかを考えていく必要がある。
(7)審議会等の委員は、公募、関係団体、学識経験者などによって選任している。公募委員は、自ら手を挙げて参加しているため、非常に関心が高く、モチベーションが高い。そのため、審議会等によっては、公募委員は発言が多く、関係団体委員は少ないということがある。
(8)市民が参加して計画などをまとめていくので、影響を与えているといえるが、案件によっては市が考えたものとほとんど変わっていなかったというものもある。
会場から
会場1 市民参加条例に対する「抵抗勢力」が役所のなかにあると思うが、そこを落とせていっているかが、市民参加が行政に影響を与えているかの指標になるかもしれない。
会場2 市民が力を発揮できるように運用されていれば、行政は必ず変わる。パブリック・コメントが3件しかなかったというのを、市民が承知していると考えるのか、行政の周知の仕方が悪いと考えるのか。いきなり大量の文書を出して、一般市民にコメントをくださいと言っても、ほとんどお手上げである。事前に情報を伝えておいて、そのうえでパブリック・コメントをしないと、市民の関心は高まらないが、ほとんどなされていない。その辺をしっかりしなくては市民参加はなされない。
市民参加条例ができたことで、関連して、住民投票条例ができた、審議会に関する条例ができた、といったことはあるのか。
加藤 和光市では、特に関連条例を定めたということはない。
会場3 公募委員は主体性が大事であるが、潜在的な参加したい層を掘り起こすために、陪審員制度ではないが、アトランダムに郵送などで案内するというのはどうだろうか。自分から作文を書いてまで参加しようとは思わないが、そういった問合せが来たら出てみようという人もいるのではないかと思う。
金築 無作為抽出については、初めて聞いた案でおもしろいと思った。可能かどうかということもあるし、一方で自主的に参加したい人へのフォローも必要であるが、検討してみたいと思う。
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(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)
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