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まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
三鷹市自治基本条例市民案の発表会&シンポジウム開催
2004/2/25


・2004年2月21日(土)午後1〜4時、三鷹駅前コミュニティセンターにて、三鷹市自治基本条例市民案発表会&シンポジウム「自治基本条例をつくる」が開催された。

・市民案を策定したのは、「自治基本条例をつくるみたか市民の会」。市とのパートナーシップ協定のもと、総合計画の市民提言を行って全国的に注目された、375名の公募市民による「みたか市民プラン21会議」が母体となっている。その第9分科会(自治体経営)が中心となって、市民有志によって結成され(会員31名)、月1〜2回の勉強会を重ねて、条例試案の策定を目指している。2003年2月には第1次試案を策定・公表し、今回は第2次試案の発表となった。

・一方、三鷹市では、市の外郭団体内にある三鷹市まちづくり研究所の第2分科会(11名、座長:西尾勝・国際基督教大学教授)で、自治基本条例案の検討を進めている。2003年11月5日には、分科会より市長に報告書「三鷹市自治基本条例について」が提出され、2004年1月17日には、「みたかの自治基本条例を考えるフォーラム」も開催された。市は、この報告書を受けて、条例案の作成を行う。
 この第2分科会には、「自治基本条例をつくるみたか市民の会」からも3名が参加している。

・この日は、森重嘉之さん(3人の世話人の1人)のあいさつと経過説明で始まり、次に、中嶌いづみさん(3人の世話人の1人)より市民案の説明があった。その後、内仲英輔さん(3人の世話人の1人)の司会のもと、佐藤竺・成蹊大学名誉教授、辻山幸宣・地方自治総合研究所主任研究員、太田善夫・大和市自治基本条例をつくる会、岩永ひさか・多摩市市民自治基本条例をつくる会の4名をパネリストとして、シンポジウムが行われた。

・市民案の説明のなかで強調された特徴には、いくつか挙げると以下のようなものがある。
【第1条】市民は主権者である。この条例は、日本国憲法の定める地方自治の本旨を「実現」することを目的とする。
【第2条】この条例は、三鷹市の自治の憲法で、最高規範性を持つ。
【第3条】この条例の施行後2年以内に信任のための住民投票を行う。
【第4条】市民とは、三鷹市に住み、働き、学ぶすべての人である。市民は市政に参画しないことによって不利益を受けない。
【第4条の2】満18歳以上が選挙権・被選挙権および住民投票を行う権利を持つ。但し、法令が別に定める場合は、当分の間その定めに従う。
【第14条の2】市長は通算12年以内に職務をまっとうするよう努める(=3期までが望ましい)。
【第16条の2】職員は内部告発することによって不利益を受けない。
【第22条】基本構想・基本計画の策定にあたっては、市長は市民とパートナーシップ協定を結ぶ。

・三鷹市や隣の武蔵野市に、学識経験者として長く関わってきた佐藤氏からは、戦前・戦後の地方自治制度の変遷について解説があった。市民案についての主な意見は、以下の通り。
−憲法と法律の関係のように、自治基本条例が他の条例に対して最高規範性を持つことができるのか、難しいところ。他の条例より改正手続きを厳しくすることなどで担保する必要がある。
−情報を市民の共有財産と位置づけ、政策広報、考えさせる広報を行うようにしているのはよい。
−本会議における議員同士の討論を禁止しているのが、日本の議会の特徴。第10条に「議員の自由な討議」とあるのはよい。

・いくつかの自治体で実際に自治基本条例づくりに関わっている辻山氏からは、自治基本条例の策定が増えている背景や最近の動向について解説があった。市民案についての主な意見は、以下の通り。
−「最高規範性」を謳っている条例は、まだ他になく画期的。しかも、改廃・見直し手続きと合わせ、冒頭に持ってきているのはすごい。
−18歳以上に選挙権・被選挙権を付与したうえで、但し他の法令が改正されればとしているのは、すごい立法技術。
−住民投票の請求権を市民(在住、在勤、在学のすべての人)全体に認める一方、連署できるのは住民投票権を持つ市民(満18歳以上の住所を有する市民)のみとしたあたりは、細かい配慮がある。
−前文では、市民の信託を受けた「議会」としているのに対し、第10条では市民の信託を受けた「議員」となっている。信託は「会」として受けるもので、矛盾があるのではないか。
−市長の任期を3期までが望ましいとしたのも、自治基本条例としては初。義務ではないが、12年で成果を出しなさいと要請するもの。

・太田氏は、大和市自治基本条例をつくる会の会長であり、大手企業の課長という役職にあって東京に勤務しながら、つくる会の会長もこなしている。自治基本条例の制定は、その前に制定された「新しい公共を創造する市民活動推進条例」の策定過程で機運が高まったことによる。つくる会は、自治基本条例案の策定のため市が立ち上げた会議で、公募市民26名、学識者1名、市職員5名の計32名の会議である。太田氏は、それまで地域活動などに参加したことはなく、募集広告を見て応募したという。
 会の運営は、進め方の決定、資料の準備をはじめ、市民主導で行われている。この2月に条例案のたたき台を公表したばかり。案ができてからパブリックコメントをする事例は多いが、たたき台の段階で市民活動団体や議員の意見をもらいたいと考えている。議員に対しては、行政からではなく、つくる会の委員が直接説明した。
 市民案についての主な意見は、以下の通り。
−前文に、「先導的自治体」として今後もがんばっていくぞ、という決意が見てとれるのはさすが。
−議会についてしっかり書かれているわりに、市長に関する部分があっさりしている。
−職員による内部告発の保護を入れているのはすごいが、一方でコンプライアンス(法令遵守)についても書いておく方がよい。

・岩永氏は、多摩市市民自治基本条例をつくる会で活動したのがきっかけで、現在は多摩市議会議員を務めている。活動に参加した頃はOLだったが、自分たちのつくってきた条例案を、いまは議員として審議する立場になっている。
 前市長の意向で、ワークショップ形式で自治基本条例をつくるため、つくる会ができ、市長とパートナーシップ協定を結んだ。つくる会のワークショップ、職員のプロジェクトチーム、両者による「とことん討論会」、そして中間報告会などを経て、2002年2月に市民案が完成したものの、折しも前市長が収賄で逮捕される事件が発生した。
 新市長になってから、行政案が出るまでには1年あまりを要し、出てきた行政案も、「条例で議会について規定するなどとんでもない」といった議員の批判を入れて、議会に関する記述が全くないものだった。その後、行政案も5回改訂され、市民案に少しは歩み寄ったが、市民案とはかなり異なるものになってしまった。一方で、市民の方も、長い時間待たされる間に熱が冷め、参加者の減少、行政案をめぐっての参加者間の対立なども出てきた。条例案は、この3月議会で審議される予定で、議会からの修正提案も検討されている。
 市民案についての主な意見は、以下の通り。
−市民が「主権者」とされている。多摩では、削られた。
−条例制定の目的が、地方自治の本旨を「実現するため」となっており、地方自治の本旨に「基づき」とした多摩より積極的。
−多摩も最初「最高規範」を謳ったが、「総合的な規範」に変えられた。
−市政に参画しないことで不利益を受けない、としているのがよい。
−前文や条文に、「職員」という言葉が出ていて、市民−議会−市長の三者だけで考えられがちな自治基本条例にあって、職員の存在に光が当たっているのが、大変よい。

・会場からの質問にパネリストが回答したもののうち、より多くの市民が参加するための工夫、また自治基本条例を市民に広げるための工夫に関するものを紹介したい。「自治」を扱う条例の性格上、より多くの市民が自治基本条例について知り、理解する必要があると考えられるからである。
 太田氏は、大和市の自治基本条例案づくりの実例から、街頭で条例について宣伝する市民キャラバンや、自治会を通して広めてもらう方法などを紹介した。また、この条例の意味を人に聞かれると、「即効薬ではなく漢方薬のようなもの」と説明しているという。
 岩永氏は、忙しい人に無理に参加してもらうのではなく、ボールの投げ方が重要なのだという。そして、地域の活動などに興味を持ち、参加したくなったとき、自治基本条例で参加が保障されていてよかった、となるとよいという。参加しない人を決して責めない、押し付けないことが大切であるとのことであった。
 佐藤氏は、防災や福祉へは市民の協力が積極的であることを挙げ、きっかけとなる課題が重要であることを述べた。また、活動には場が必要であるが、三鷹市には、すでにコミュニティセンターが地域に配されている点を喚起した。そして、活動は楽しみながらでないと続かないことを述べた。

 自治基本条例をつくるみたか市民の会ホームページ

「自治基本条例をつくるみたか市民の会が第3次試案を公表」「自治基本条例をつくるみたか市民の会が市要綱案に意見書提出」自治基本条例をつくるみたか市民の会が第2回シンポジウム開催」自治基本条例をつくるみたか市民の会が議会要綱案に意見書提出自治基本条例をつくるみたか市民の会が条例試案に意見書提出もご覧ください。

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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