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まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
第6回平塚市自治基本条例市民委員会開催
2004/7/14


・2004年7月9日(金)午後7時〜9時30分、ひらつか市民活動センターAB会議室にて、第6回平塚市自治基本条例市民委員会が行われた。筆者は傍聴した。

・市民委員会は、平塚市における自治基本条例の検討体制の一角をなす組織である。公募に応じた58名の市民全員を委員としている。
 市民委員会のほか、市職員による「職員プロジェクトチーム」がある。そして、これら市民・職員の両組織での検討も踏まえて、最終的に条例原案を策定する組織として「策定委員会」がある。策定委員会には、市民委員会の代表者も参加することになっている。
 平塚市ホームページ 市民委員会委員募集 (検討体制の図あり)

・4月25日に第1回市民委員会が行われて以来、月に2回ペースで開催され、この日が第6回であった。開催日は、平日夜、週末午前、週末午後など取り混ぜてあり、いろいろな人が出席できるように工夫されているようだ。
 現在公開されている、第1〜3回の会議録を読み返してみると、委員の間から、市民委員会とは別に策定委員会があること、外部委託のファシリテーターがいること、市民委員会の進め方が予め既定されている(との印象を委員が持っている)こと、などへの不満百出の状況から出発したことがわかる。

・この日のテーマも、まだ条例の内容検討に入る以前の「市民委員会の進め方について」であった。
 発足当初より、市民委員会の進め方について考える場として、自由参加の「世話人会」というのが開かれてきた。しかし、世話人会の位置づけは、委員の間で明確に認知されたものではなかったため、世話人会が考えた進め方を示しても、全体でまた進め方をめぐってゼロから議論していたようだ。世話人会に参加していた委員さえも、全体の場では世話人会の決定とは異なる主張をする状況であったという。

・市民委員会の進め方という入口の議論に時間を費やし、なかなか条例の内容そのものの議論に入れないことに対して、委員の間では欲求不満が蓄積しているようであった。なかには、進め方の問題はやりたい人に任せて、すぐに条例の内容に入りたい人だけでもう1つの市民委員会を立ち上げようと提唱する人もいた(支持者はいなかったが)。
 もっとも、この状況の打開の必要は、誰もが感じているところであり、世話人会の位置づけや役割を明確にすることで、進め方をめぐる議論に区切りをつけるというのが、この日の大きなテーマであったと言える。

・通常、ワークショップをはじめ、大人数が参加する会議を進めていくには、会議の企画・運営のための機関を設けるのは不可欠である。その役割は、スケジュール全体の進行管理、適切な検討プロセスの設計、各回の議題の設定などである。発足当初、外部委託のファシリテーターと事務局(行政)がその部分を担っているとの印象を受けて委員が反発したことが、進め方をめぐる議論のそもそもの発端だったのだろう。
 ただ、この日、いざ世話人会の位置づけや役割を明確にしましょうという段階になってもなお混乱したのは、世話人会というのが、条例の内容について最終的に意思決定するような機関であるとのイメージを持っている人が意外にいたためのようである。これは、筆者のような市民参加の手伝いをする人間が毎度苦労することではあるが、会社や団体の役員会のようなイメージで捉えてしまう人が意外に多いのである。
 この日も、そのような誤解に基づく発言が繰り返された末、委員のなかから「運営の方法を合意する組織が必要なのです。条例の中味ではなく、運営の方法については、その人たちに託すということです。つまり、組織を運営するための組織です」という整理がなされるに至って、この日の本題であった世話人会の位置づけや役割の検討に入っていくことができた。この時点で、1時間くらいが経過していた。

・この日の出席者は41名であったが、8つに分かれたグループ(会場での受付順。毎回変更)での議論で、世話人会の「位置づけ」「選出方法」「具体的役割と進め方」、及びその他の運営課題が話し合われた。
 それぞれに微妙に結論は異なるものの、司会者(委員)が整理したように、必要という点は多くの委員が認めており、位置づけをしっかりすればという条件のもとで、世話人会を設置することは改めて全体で合意された。その「位置づけ」や「選出方法」「具体的役割と進め方」については、次回の世話人会のなかで、この日のグループ議論を踏まえて話し合うことになった。なお、「選出方法」が未定なので、次回はさしあたり自由参加となった。
 また、その他の運営課題として、司会者を誰が行うかについて、複数のグループから意見があった。なお、この日は、実験的にということで、委員とファシリテーターが分担して行っていた。グループ意見としては、ファシリテーターが中立な立場で行うのがよい、ファシリテーターがメインで委員は手伝い、委員とファシリテーターが共同で行う、委員については輪番制で一人は世話人、といった意見が出ていた。

・ところで、市民委員会でファシリテーターを務めているのは、住民参加ワークショップのトップランナーであり、自治基本条例については多摩市、久喜市でも実績がある、大久手計画工房さんである。
 行政の代わりに表に立って市民を誘導しようとしているといった、いつもの非難に苦労しつつも、条例の内容について議論できる状況を整えるため、がんばっておられるようであった。
 なお、大久手さんの名誉のために補足しておくと、第1回会議録を見ればわかるが、会議の進め方を話し合う場としての世話人会は、ファシリテーターの口から呼びかけられている。委員と一緒に会議の進め方を話し合っていくことは、最初から考えられていたことだと言える。それがなかなか伝わらないところが、市民参加の場の立ち上げ期の難しさではある。
 もっとも、すでに経験の蓄積があるファシリテーターが、いきなり参加者になじみのない手法に沿った進め方を投げ掛けると、レールを敷かれているような印象を与えるのも事実である。特に、ワークショップの場合、プログラムを詳細に明確に示して進めるのが「民主的でよい」と考えられているため、余計にそのような印象を与えてしまう。
 とは言え、「ワークショップって、人に意見を聞いてもらえて、案外いいやり方だというのがわかってきました」とこの日発言していた委員が、実は当初、ワークショップという手法に強い不信を持っていたそうだが、少しずつ受け入れられつつあるようである。

・ちなみに、筆者は、このような会議の傍聴を「会議フィールドワーク」と呼んでいる。事後的に事務局や委員の代表者にインタビューするのでは、会議の本当の姿は見えてこないため、筆者は今年から、できるだけ「会議フィールドワーカー」として活動している。
 ところで、フィールドワーク、特に参与観察につきものなのは、当事者たちにどう迎えられるかという問題である。この市民委員会の場合、ワークショップ形式で運営されているため、グループ議論の内容は遠くで聞いていてもわからない。そこで、ファシリテーターが「見て回っていいですよ」と言ってくれたのをいいことに、グループ議論を聞かせてもらっていたら、委員のお一人から「何か言いたいことがあるんだったら、代わってやるからここに座れ!ちらちらのぞくな!」とお叱りを受けた。「私は平塚市民ではないので、言いたいことはありません」と申し上げたら、「だったら遠くで見てろ!」と言われた。
 このような自分がそこにいたからこそ起きた出来事も重要な情報の1つであるので、上記のこともよい体験となった。ただ、この件でふと思ったのは、グループ議論が入るワークショップ形式の会議の場合、「会議公開」とは何なのかということである。話を聞きたいと思ってグループのそばに近づくのは認められないのか。一市民である委員の言い分と市長が決めた「公開」とはどちらが優先されるべきなのか。私は、平塚市民ではなく外部の調査者なのであまり強くは言えないのだが、会議ルールとしてその辺りは明確にしてほしいところである。

 平塚市ホームページ 自治基本条例のホームページ

「第9回平塚市自治基本条例市民委員会開催」「第13回平塚市自治基本条例市民委員会開催」「第17回平塚市自治基本条例市民委員会開催」「第22回平塚市自治基本条例市民委員会開催」平塚市自治基本条例骨子の元市民委員向け説明会開催」もご覧ください。

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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