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まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
かわごえ市民会議第4回リーダー会議開催
2004/9/8


●2004年9月5日(日)午後3時10分〜5時30分、川越市役所7階7AB会議室にて、かわごえ市民会議第4回リーダー会議が行われた。筆者は傍聴した。

●かわごえ市民会議は、市(行政)が(仮称)第三次川越市総合計画の原案を作成するにあたって、市民の視点による今後のまちづくりに関する提言を行うことを目的として、2004年4月に発足した。
 公募による110名の市民により構成され、委員は「市民生活」、「都市基盤」、「経済・産業」、「環境・防災」、「文化・教育」の5分科会のいずれかに属して、それぞれの分科会のテーマについて提言をまとめる活動をしている。
 110名の委員は、自薦、他薦(団体推薦、10人以上による推薦)によって応募した174名を単純抽選して、自薦枠55名、他薦枠55名という形で選ばれている。
 スケジュールとしては、9月に「中間報告」、12月に「最終提言」を市長に提出することになっている。

●5分科会に分かれて活動する市民会議を統括する役割にあるのが、リーダー会議である。各分科会より選出されたリーダー1名、サブリーダー2名(都市基盤だけはサブリーダー3名)の合計16名によって構成されている。
 そのなかから、さらに統括リーダー1名(女性、文化・教育分科会リーダー)、統括サブリーダー1名(男性、都市基盤分科会リーダー)が選出されて、事務局(行政)と打合せを持ちながら、リーダー会議を運営している。
 この日は、13名が出席し、9月に予定されている「中間報告」に向けた話し合いが行われた。傍聴は、筆者を含めて、4名であった。

●まず、各分科会から、「中間報告」の進捗状況が報告された。正式な中間報告書は、全分科会のものを1冊にまとめた形で作成されるが、すでに分科会単独での中間報告書を作成済みの分科会もあれば、中間報告書で求められている「総論提言」「各論提言」のうち、まだ総論しか議論していないという分科会もあった。
 前回のリーダー会議では、各分科会は9月10日(金)までに「総論提言」「各論提言」をまとめることになっていたが、1つの分科会が会議運営の方針の違いから総論しか議論していなかったため、その分科会の開催をもう1回待って、各論をまとめてもらうことになった。このような、期日遅れに対しては、他の分科会からは批判の声が寄せられた。
 もっとも、他の分科会についても、提言内容について、すでに分科会内での合意ができているというわけではなく、これまでに提起されたものを、ひとまず全て載せるだけという分科会もあるようであった。
 その後、統括リーダー、統括サブリーダーが事務局と打ち合わせた、中間報告書の構成案が示され、議論の結果、了承された。9月24日(金)19時30分よりリーダー会議を開いて、作成された中間報告書の内容を確認する作業を行い、それ以降の日程で、市長に提出することも決まった。

●今回のリーダー会議で興味深かったのは、「中間報告」の公開方法をめぐる議論であった。ホームページに載せること、市民会議の所管課である政策企画課の窓口で配布することは、あっさり決まったが、一部委員より提起のあった、公民館等での閲覧(もしくは配布)については、賛同する委員が少なく、多数決の結果、行わないことに決まったからである。
 賛同しなかった委員たちの意見としては、「中間報告」だけを見て言う意見に意味はあるのか、意見を言う気があるなら傍聴したり政策企画課で説明を聞いたりしてから行うべき、分科会のなかで合意するのも大変なのに寄せられた意見を取り込むともっと大変になる、寄せられた意見を取り込むことよりも、市民会議の委員として提言をまとめるという責任を全うすることが大切、そもそも「中間」なのだから必要ない、といったものであった。
 それに対し、公民館等での公開を主張した委員たちは、意見が実際に出るかはわからないが、ともかく市民会議が委員以外の市民にもオープンな形で議論しているという姿勢を示すことが大切、市民会議は市によって公募されてできたものであるからその過程をできるだけ公開するのは当然、寄せられた意見によいものがあると委員が認めれば取り入れればよいのであり、寄せられた意見を取り込まなくてはならない義務があるわけではない、といったものであった。
 賛同しなかった委員たちは、意見が寄せられる以上はそれを取り込まなくてはならないと考えている点で、提起した委員たちと噛み合わないところはあったのだが、それ以前の基本的な姿勢として、市民会議の委員だけで提言をまとめる方が、市長から委嘱された委員としての責任の果たし方としてふさわしい、と考えているように見えた。
 しかし、自ら結成した会議ではなく、市によって設置された会議であるからこそ、委員以外の市民の多様な意見も踏まえたうえで、委員として議論をして結論を出すという姿勢が必要なのではないか。まして、かわごえ市民会議の場合は、委員は抽選でたまたま当選したにすぎないのである。そんな委員が、自分と同様の市民の声を聞くという姿勢を忘れるとすれば、公募市民会議は特定の市民に特権的な地位を与える悪しき道具に成り下がりかねない。公選されたわけでもない公募市民会議にとって、その提言の重みを増すためにも、多くの市民の声を踏まえたうえで議論を行うことは必要なのである。

●さて、統括リーダーを務めている下羽初枝さんとは、今年5月に東京ランポが主催したカレッジランポ2004-J「公募市民会議は市民参加をどう変えたか」に参加してくださった際に知り合った。
 筆者は、リーダー会議を傍聴するのは初めてであったが、下羽さんのエネルギーに溢れた勢いある「しゃべり」が、リーダー会議を引っ張っていることが見て取れた。上記の「中間報告」の公開方法をめぐる議論のように、委員のなかにもなかなかお堅い姿勢の方もおり、また発言が活発である。統括リーダーがあまりにしゃべりすぎることに対しては、ワンマン運営の懸念もつきまとうところであるが、下羽さんの場合は、統括リーダーとして提案した内容に対する説明責任をしっかり果たしているのであって、「中間報告」の公開方法の議論にしても、最後は多数決に委ねている。
 そういう意味では、自分の考えもしっかりと述べたうえで、他者の意見を引き出し、整理するファシリテーターとしての役割も果たしていると言える。その辺りはご本人も意識されているようで、書記を1人決めてホワイトボードに書きとりながら論点を整理していく方法を、リーダー会議の初期に実演して見せ、他の委員にその有効性を納得させることで、この方法を定着させたとのことであった。
 何十人、何百人という会議を引っ張っていくには、リーダー会議のような運営組織が牽引役となることが不可欠であるが、またその運営組織を引っ張るリーダーの存在が重要であることがわかる。

●また、リーダー会議で、もう1人興味を引かれたのが、文化・教育分科会サブリーダーの若い男性である。上記の「中間報告」を公民館等で公開すべきと提起したのも彼であり、さらに、「中間報告」は市長室に届けるのではなく、傍聴者もいるような公開の場に市長に取りに来てもらってはどうか、と提起したのも彼である(この提案は、採択された)。
 公募市民会議が、幅広い年齢層を確保するのに有効であることは、他の事例も示すところであるが、それでも50〜60歳代の男性が占める割合が高いのは否めない。しかし、そんななかにあっても、若くてセンスのよい人が、市民参加の場に新鮮な風を吹き込み、数的な割合以上の存在感を発揮している様子も結構見られる。
 かわごえ市民会議のこの若者にも、ますますの活躍を期待したい。

●ところで、かわごえ市民会議は、発足の時点で、予め市から、会議運営の方法に関する「基本ルール」が示されていたり、「総論提言シート」「各論提言シート」といった成果物の様式が指定されていたりと、かなり行政側で周到な準備がなされているのが特徴である。公募市民会議は、全くの白紙からスタートするというケースも多いので、このような行政の姿勢には、批判の声もある。
 ただ、限られた時間内に終わらせる(そもそも期間が短すぎるという批判もあるかもしれないが)ためには、そういった準備が有効であることも確かである。自治体によって事情はいろいろなので、どちらがよいというわけでもないが、時間の制約下で目的を達成するという「目的合理性」の観点だけで言えば、行政職員が知恵を絞って、短い時間でも効果的な議論ができるための方法を考案するというのは、大切なことであると言えよう。

 川越市役所ホームページ かわごえ市民会議

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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