市民参加・協働のまちづくり
| 第17回平塚市自治基本条例市民委員会開催 |
2004/12/30
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●2004年12月19日(日)午前9時30分〜午後12時30分、ひらつか市民活動センターAB会議室にて、第17回平塚市自治基本条例市民委員会が行われた。筆者は傍聴した。
●4月の発足以来、市民委員会の「進め方」をめぐる議論に時間を費やし、なかなか「本業」である自治基本条例の「内容」に関する検討が進まなかったが、第11回以降は、それまで断片的に出し合ってきた、条例の「内容」に関する意見を整理することから始めて、本格的に条例に盛り込みたいことを出し合う段階に入っている。第11回と第12回では、条例に盛り込みたいことを「検討項目提案票」に書き出し、33類型に分類している。
筆者の傍聴は第13回以来であるが、第13回では、その33類型をさらに大きく6つに括り直した。その後の会議録を見ると、第14回では、多くの委員が希望していた、自治基本条例の「あり方・位置づけ」や「必要性」に関する議論が行われている。また、第15回と第16回では、この日の第17回でも採用された、「屋台方式」によって、「条例案のタタキ台となる文章」が出し合われている。
●「屋台方式」とは、会場にいくつかの「屋台」と称するテーブルが設置されており、委員は関心のあるテーマの「屋台」に「客」として入って、他の「客」と議論するというものである。ただ、これが分科会方式などと異なるのは、最初から最後まで同じ「屋台」で過ごす必要はなく、時間内で複数の「屋台」を「はしご」しながら、議論できるということである。
そのため、「屋台」内での合意形成が目的となっておらず、あくまで、そのとき居合わせた「客」と話すなかで、「条例案のタタキ台となる文章」を発案することがねらいである。そうして発案したことは、「 (主語)は、 (目的)のために、 (主要な内容・述語)をすることを定める。」とフォーマットされた「条例案のタタキ台検討カード」に、各自で記入して、記録として残すことになっている。この「検討カード」は、一人で書いてもよいし、その内容に賛同する委員とともに連名で書いてもよい。
第16回の記録のなかから、例示のために、いくつかピックアップしてみる。(12、13などの番号は、第11回で分類された33類型の番号。)
「12.市長・市職員」について
・市長、市職員は、地方自治の本旨の実現のために、地方自治法の内容を遵守しなければならないことを定める。
・市長は、職員の政策立案・運用・能力向上をはかるために、常に組織改革を心掛けることを定める。
・市職員は、平塚市民のために、常に研鑽し、積極的・能動的に職務に従事することを定める。
「13.行政運営、行政改革、行政評価」
・行政(平塚市)は、健全な財政運営のために、経済財政状況を考慮して、数値目標を設定して行政の運営をすることを定める。
・市は、市の効率的な行政運営のために、第三セクターの必要性を恒常的見直しを実施することを定める。
・行政は、市民が施策の優先順位付けするために、市が実施する施策を市民にメニューを示し、市民が施策を選択できることを定める。
●この「屋台方式」であるが、導入にあたっては、ひと悶着あったようである。初めて採用した、第15回の会議録を見ると、「屋台」を「分科会的」と捉えた委員や、「タタキ台」という語に時期尚早との反応を示した委員などから、反対の声が上がっていたのがわかる。また、市民委員会の進め方を話し合う、世話人会に出席していた委員からも、世話人会で話し合った内容が、「屋台方式」という形をとるのは飛躍しすぎだとの批判も聞かれた。しかし、具体的な代案があるわけでもなく、ひとまず試行することで収まっている。
その後、第16回でも同様の方式を採用したためか、第17回では、委員もこの方式に馴染んでいるように、筆者には見えた。ファシリテーター(大久手計画工房)としても、この方式は苦心の策とのことで、決してベストな方法ではないのかもしれないが、来春までに市民委員会としての「条例案」なり「条例への考え方」を示すという時間的な制約を考えると、「屋台方式」は大変な妙案であると筆者は考えている。
確かに、全員で一緒のテーマについて話し合い、1つひとつ結論を出していくべきという意見もあるが、それでは相当な回数が必要になり、現在の状況では現実的でない。また、合意形成には、「発案」→「案の整理・洗練」→「案の選択」といった流れがあり、最終的な「案の選択」をめぐる議論は全員で行う必要があるが、「発案」については、主に関心のあるテーマを議論してもらうことでも、多くの考えを確保することができよう。
そして何より、この方式のポイントは、フォーマットを示して、「条例案のタタキ台となる文章」を残すようにしたことである。単に議論しただけでは、何も形に残らない。また、自由に記録を残すと、次の段階(案の整理・洗練)に進むにあたり、「発案」を共通の形式に加工する作業が大変になる。そこで、フォーマットに合わせて「発案」を残すのは、時間のないなかでは、特に有効である。また、委員自身の言葉で書き残せることは、1人ひとりの意見尊重にこだわる委員の多い、平塚の市民委員会では、なおさら適した方式であると言える。
●この日は、下記のような、7つの屋台が用意された。
第1屋台:1.平塚市の将来像、2.平塚らしさ
第2屋台:3.条例のあり方・位置づけ、5.自治基本条例の必要性、
19.条例の運用・見直し・推進組織等
第3屋台:20.平和都市、27.人権尊重、28.男女共同参画
第4屋台:21.環境都市、22.住環境の整備(狭義のまちづくり)、
26.まちの活性化・産業の振興
第5屋台:23.安心・安全のまちづくり(防災・防犯のまちづくり)、
24.子育て・青少年育成・社会教育、
25.福祉のまちづくり、ノーマライゼーション
第6屋台:a.その他の条例の内容に関わる検討項目提案(33)
b.条例の内容以外の検討項目提案(29〜32)
第7屋台:提案屋台(第1〜6屋台以外で、委員が提案したテーマを話し合う)
第1屋台は、総論的なテーマとして、すでに以前にやったためか、「客」は終始ゼロであった。最も多かったのは第3屋台の9〜10名で、次いで第5屋台の8名。第2屋台と第4屋台が5〜6名で、第6屋台と第7屋台が3〜4名であった。100分の間に、いくつかの屋台を「はしご」したのは、数名であった。
各屋台には、明確に決めているわけではないが、「屋台主」的な人がおり(たいていは、屋台の深いところで、壁を背にして座っている)、議論の進行役を務めていたようである。第3屋台では、3つあるテーマのうち、1つが終わるごとに、「検討カード」に記入する時間をとりながら進めた。第4屋台は、自然と半々に分かれて、より小さな単位で議論する場面も見られた。
傍聴者も屋台に加わることが可能であったため、筆者も途中から第3屋台に加わった(但し、筆者は調査目的であるため、発言はしなかった)。ちょうど、「平和都市」について議論されているときで、「『無防備地域宣言』をするための根拠を自治基本条例に盛り込もう」「『無防備地域宣言』にどれだけの効力があるというのか」といった意見が活発に交わされていた。「屋台主」からは、他自治体の自治基本条例にどのような平和条項があるかといった資料も示され、議論を具体的なものにするのに一役買っていた。「平和」「人権」「男女平等」といったテーマへの関心が高いのは、平塚市民の特徴と言えるのかもしれない。
屋台方式で「条例案のタタキ台となる文章」を発案する作業は、今回で終了し、来年に入ると、それらの案をもとに検討を深める段階に入っていく。
●各屋台の検討内容の報告は、誰かが代表して発表する形ではなく、「1人1分報告」という形で行われた。これは、第16回から採用されたようであるが、これまた妙案だと言える。
以前は市民委員会でも、誰かが代表してグループ討議の報告をしていたが、発表者が自分の意見をより強調する形で発表するケースも見られた。また、みんなに発言機会が行き渡るためのグループ討議であるが、1人ひとりが全員の前で発言する機会がないと、みんなで議論した気がしないという意見もあった。
それらを解決するのが、「1人1分報告」であり、各自が強調したい点を述べることができるうえ、全員がみんなの前で発言できるので、確かに一体感が感じられた。もちろんこれは、一方で「検討カード」に記録が残っていて、後で参照できるからこそできる方式である。
なお、「1人1分」がきちんとタイムキープされていたため、筆者を含めた傍聴者にも発言する機会が回ってきた。この日は5〜6名の傍聴者があったが、現在、同時進行している、総合計画やまちづくり条例の策定委員の姿が目立ち、会議同士の相互交流にもなっていたようである。
●第13回のときに立ち上がった広報部会から、市民委員会の活動を広く市民に知らせていく、PRパンフレットが完成したことが紹介された。今後、市内各所での配布や自治会回覧を通しての配布、委員の手による配布が行われていくが、ユニークなのは、市民の反応を知るために、配布先リストの作成や、配布した際の相手の反応などを記録する調査票も準備されていることである。市民の認識が高まってこその「自治」基本条例であり、このような試みにも注目したい。
●最後に、筆者の傍聴は、これで4回目になるが、他人の話を最後まで聞かずに「ヤジ」を飛ばす場面も目立った、以前の状況から見ると、かなりよい雰囲気になってきたように思われる。ファシリテーターも、「互いの人となりがわかってきて、コミュニケーションできるようになってきたのでは」と言っていた。異なる意見があるのは尊重しつつも、ゴールに向かって協力する「チーム」としての意識を持つことは、公募市民による会議の成否を分けるところでもあり、来年もますますがんばっていただきたい。
平塚市ホームページ 自治基本条例のホームページ
※ 「第6回平塚市自治基本条例市民委員会開催」、「第9回平塚市自治基本条例市民委員会開催」、「第13回平塚市自治基本条例市民委員会開催」、「第22回平塚市自治基本条例市民委員会開催」、「平塚市自治基本条例骨子の元市民委員向け説明会開催」もご覧ください。
(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)
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