市民参加・協働のまちづくり
| 自治基本条例をつくるみたか市民の会が議会要綱案に意見書提出 |
2005/3/7
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●東京都三鷹市では、自治基本条例の策定が進行中である。2004年7月、条例の全体像を表した「三鷹市自治基本条例要綱案」が市より公表され、市民を含む各方面から意見が受け付けられてきた。
要綱案が公表された当初は、議会からの意見が受け付けられた後、12月議会に「素案」が示される予定であったが、議会での意見とりまとめに時間がかかり、ようやく12月中に議会独自の要綱案が示された段階である。
議会が要綱案として示したのは、議会に関わる条項のみで、それ以外については、会派ごとに市長に意見書を提出している。
●ここで、議会の要綱案を、市の要綱案と比較してみたい。
議会の要綱案
第3章 市議会
第6 市議会の役割、責務等
1 市議会は、地方自治法の規定に基づき、市民の直接選挙により信託を受けた議員によって構成される意思決定機関であり、市民の信託に応えるため、事案の決定、市政の監視及びけん制を行うこととする。
2 市議会は、市民への情報提供を積極的に推進するとともに、市民に開かれた議会運営に努めることとする。
3 市議会は、1・2の役割、責務等を果たすため、市議会の持つ権能を最大限に発揮して活動することとする。
第7 市議会の立法活動、調査活動等
市議会は、議会の活性化に努めるとともに、独自の政策提言と政策立案の強化を図るため、立法活動、調査活動等を積極的に行うこととする。
市の要綱案
第3章 議事機関
第6 議会の役割、責務等
1 議会は、地方自治法の規定に基づき、市民の直接選挙により信託を受けた議員によって構成される議事機関であり、市民の信託に応えるため、事案の決定、市政の監視及び評価を行うことを定める。
2 議会は、1の役割、責務等を果たすため、議会の持つ調査権等の権限を最大限に発揮して活動することを定める。
第7 議会の情報提供等
1 議会は、市民と情報を共有するため、多様な形態による情報提供を積極的に推進することを定める。
2 議会は、市民に分かりやすく、市民が参加しやすい開かれた議会運営に努めるとともに、陳情、請願等の市民の要望に誠実に対応しなければならないことを定める。
第8 議会の立法活動、調査活動等
1 議会は、独自の政策提言と政策立案の強化を図るため、市民、学識者等の参加と協力を得て、立法活動、調査活動等を行うことができることを定める。
2 議員は、各々が市民から直接信託を受けた者として、議員間の議論の活性化に努めることを定める。
●これまで3次にわたる条例試案を示すなど、市民の立場で条例づくりに取り組んできた「自治基本条例をつくるみたか市民の会」が、議会の要綱案に対して意見書を作成している。2005年3月2日、市民の会の世話人2名が、議会の正副議長を訪れ、意見書を手渡している。なお、この情報は、世話人の1人である内仲英輔さんより、寄せていただいた。
意見書の内容は、下記の市民の会のホームページをご覧いただきたいが、市民の会が指摘しているのは大きく2点ある。
1点目は、議会の要綱案が策定される過程に関するもの。全員協議会ではなく、3人未満の小会派が参加できない会派代表者会議において、代表者以外には傍聴も許されない閉鎖的な状況で決められたことである。
2点目は、議会の要綱案の内容に関するもの。市の要綱案では、市民の会の試案からだいぶ後退したとは言え、それでも残っていた「議会の情報提供等」の項が、削除されてしまったこと。「市民と情報共有する」という理念まで葬り去られたとしている。
自治基本条例をつくるみたか市民の会ホームページ 市議会への意見書
●(1)市民の会の試案 ⇒ (2)市民の会から3名が委員となった「三鷹市まちづくり研究所第2分科会」が作成し、市の要綱案のもととなった報告書 ⇒ (3)市の要綱案 ⇒ (4)議会の要綱案、となるにつれて、「市民が参加し、市民と協働する議会」という理念が、次第に薄まっているように見える。
市民の会の試案には、議会が、市民参加・協働型で運営されることで、より役割を果たしていけるよう、本会議・委員会その他の会議の公開、公聴会の活用、夜間・休日議会の開催や議会の実況中継、陳情・請願への誠実な対応、といった具体的な手法まで書き込まれている。市の要綱案の段階で、そういった手法の明記はなくなったが、「市民が参加しやすい開かれた議会運営」という考えは、はっきりと示されていた。
それが、議会の要綱案になって、「市民が参加し、市民と協働する議会」という理念が全く消滅し、「特権階級」としての議会・議員という本音を色濃く映す内容となっている。しかも、市長部局に対しては、「意思決定機関」(議事機関から修正)、「市政の監視及びけん制」(市政の監視及び評価から修正)といったように、より権限を増した表現に変えられている。
しかし、市長部局が積極的に市民参加・協働型で運営されていくなかでは、そのように用語だけ立派にすることではなく、いかにして議会が市民の信頼を得ていくかを具体的に考えることが必要であろう。「市民の直接選挙により信託を受けた」の表現は生き残っているが、憲法や地方自治法では、市民は地方議員には何らの「信託」も行っていないのである。それを自治基本条例で初めて規定するのであるから、従来とは異なる議会と市民の関係が必要なことを、もっと真剣に考えるべきであろう。
●いずれにせよ、議会の要綱案が出たことで、自治基本条例の策定作業が前進する。3月議会の終盤に、条文形式となった「条例検討試案」(いわゆる「素案」)を、全員協議会の場で説明し、4月以降に広報紙やホームページで広く周知し、市民意見を集める段階に入っていく。平成17年度中の議会への上程を目指しているという。
自治基本条例をつくるみたか市民の会ホームページ
※ 「三鷹市自治基本条例市民案の発表会&シンポジウム開催」、「自治基本条例をつくるみたか市民の会が第3次試案を公表」、「自治基本条例をつくるみたか市民の会が市要綱案に意見書提出」、「自治基本条例をつくるみたか市民の会が第2回シンポジウム開催」、「自治基本条例をつくるみたか市民の会が条例試案に意見書提出」もご覧ください。
(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)
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