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まちづくりニュース

市民参加・協働のまちづくり
「元気な入間」が推進市民組織の立ち上げへ 準備会が終了
2005/4/4


●入間市の木下博市長が、都城市の健康都市づくり「ウエルネスシティ」に発想を得て、「元気な入間づくり」を発表したのが、平成12(2000)年のこと。以来、市制施行35周年に合わせた「元気な入間都市宣言」(平成13年11月3日)、元気な入間づくりの基本的事項を定める「元気な入間まちづくり基本条例」(平成16年4月1日施行)の制定を行ってきた。
 都市宣言においては「元気な入間づくり市民委員会」、基本条例においては「元気な入間まちづくり条例検討会議」が設けられ、市民が中心となって検討を行ってきた。基本条例を機能させるための方策を検討する「協働により進めるまちづくり検討会議」も市民によって担われ、基本条例に定められた「拠点」と「推進組織」の具体化の提言を行っている。

●平成16(2004)年度は、その「拠点」である「入間市市民活動センター」が保健センターを転用してオープンするとともに、「推進組織」を立ち上げるため、「『元気な入間』まちづくり推進市民組織準備会」が活動した期間であった。筆者は縁あって、準備会の事業を1年間お手伝いさせていただく機会に恵まれた。
 準備会は、条例検討会議などの委員経験者8名のほか、市職員3名と新たに公募された市民4名の計15名(男11名、女4名)で構成された。また、元市民で委員経験者であり、まちづくりコンサルタントである犬塚裕雅さんがアドバイザーとして関わった。事務局は市の企画課が務めたが、会議のほか、事業の実施やニュースレターの発行など、委員による自主運営が行われた。

●以前のニュース(2004年5月10日10月21日)でもお伝えしたように、筆者は、準備会委員の公募説明会で、推進市民組織をイメージするための「中間支援組織設立シミュレーションゲーム」を実施したのが、お手伝いのきっかけとなった。その後、実際に発足した準備会は、推進市民組織の立ち上げに向けて、市内の市民活動団体を対象とした事業を実施したが、まずは推進市民組織をイメージしてもらうため、上記同様のゲームを行った。
 続いて、こんどは一般的なイメージではなく、市内団体が抱える実際の課題を事例(ケース)として、推進市民組織が備えるべき機能や体制を探る「ケース事業」を3回にわたり実施した。そこでも、筆者は、ワークショップの進行役としてお手伝いした。

●2004年11月1日(月)と12月6日(月)に開催した、はじめの2回は、市内団体の活動報告をもとに、参加者全体で解決策を考えるスタイルをとった。まず、初日は福祉系の4団体、2日目は環境系を中心とした5団体に、「活動内容(主なもの)」と「課題となっていること」を各5分で発表してもらい、会場との質疑応答を行った。
 次に、「課題」として報告されたことについて、会場全体で解決策を出し合った。課題を整理すると、「場所」「担い手」「利用者」「機材」「資金」「事務」「情報」といったものに分類できた。解決策を考案する手がかりとして、「自分が協力できること」「現状の仕組みの活用」「新しい仕組みの提案」「推進市民組織への提案」という4パターンが存在することを示して考えてもらった。例えば、「場所」については、市内の空き不動産情報を集めて、団体が共同で借りるというアイデアや、「担い手」については、大学生の活動との連携を考えてみようといったことが、活発に寄せられた。また、それらの情報整理やコーディネーターを推進市民組織が担えるのではないか、といった意見が出てきた。
 報告された事例、課題への解決策などは、筆者が模造紙に記録をとり、会場全体でタイムリーに共有できるようにした。また、準備会が持ち帰って検討する際の記録にもなった。

●この2日間の成果をもとに、準備会では、推進市民組織が備えるべき機能と体制についての案が練られた。また、中間支援NPOの具体的な姿を知るため、筆者が講師となっての学習会を行ったほか、多摩市にある多摩NPOセンター(西永山複合施設内)を視察で訪れ、運営団体である多摩NPO協会や多摩市市民活動推進課に話を聴いている。
 これらの検討・研究を経て、2005年2月6日(日)に行われた「ケース事業」の最終回では、推進市民組織の機能・役割についての準備会素案が示された。素案をめぐっては、会場を無作為に3つのグループに分けて検討を行った。検討を助けるための「検討シート」を準備し、「機能・役割への疑問・修正提案」「機能・役割のうちあなたが担えること」を付箋に書いて出してもらった。
 「担えること」については、出されたものを読み上げ、全体で共有しただけであるが、活動情報の提供、交流会への参加、なかには推進市民組織の専従職員になってもよい、といったことが、たくさんの付箋となって寄せられた。「疑問・修正提案」については、寄せられたものについて一通り検討を行い、準備会の最終提案に反映されるものもあった。

●これら準備会活動の集大成として、2005年3月27日(日)午後2〜4時、入間市市民活動センター3階活動室1にて、「市民が主役のまちづくりフォーラム これからのまちづくりのキーワードは参加と協働」が開催された。
 筆者は、「推進市民組織とは 『元気な入間』の中間支援NPOに向けて」という演題で基調講演をさせていただき、「市民が団体・活動に参加すること」「異なる団体同士が協働すること」が「元気なまち」の要素であり、それらを応援するのが中間支援NPOであることをお話した。
 それを受けて、準備会の池田真幸会長から、準備会の取り組みを振り返った後、推進市民組織の「機能・役割」「事業計画」「組織計画」が説明された。「機能・役割」については、当面下記の9つのものが掲げられている。
  1.情報収集・整理・提供  2.交流・情報交換・発表の場の提供  3.相談窓口
  4.学習会・講習会・人材育成  5.コーディネイト・マネージメント  6.活動支援
  7.市民活動センターの運営・管理  8.事業企画・運営  9.資金調達支援
 事業計画としては、3年間をかけて事業を軌道に乗せることを構想し、平成17年度を確立期、18年度を自立期、19年度を独立移行期として、財政的にも市から独立した組織となることを目指している。当面は、市民活動センター祭りやフォーラムのような、団体や市民の交流を図る事業や、ニュースレターやホームページなど情報事業を中心に、活動の展開を図っていく。また、組織計画としては、将来的には、会員制をとって、事務局を持つNPO法人となるが、当面は、役員のもとで、各種の委員会が活動する形態をとることになっている。
 説明の最後に、池田会長から、「いよいよ『元気な入間』が本格始動の時期に入った。市民活動団体の皆さんにも推進市民組織に積極的に参加してもらい、共につくり上げていこう」との呼びかけが行われた。木下市長からは、推進市民組織に期待する旨のエールが送られた。

●フォーラムの後半では、犬塚アドバイザーをコーディネーターとして、市内の2つの団体(NPO法人親子学、財団法人埼玉県生態系保護協会入間支部)、推進市民組織の設立発起人会の水村雅啓代表、木下市長をパネリストとして、パネルディスカッションが行われた。
 市民団体からは、市民から相談があったとき、こんな団体があるよと、推進市民組織に紹介してもらえるとよいという期待や、最近は似たような名称の団体が多く混乱するため、縦割りになっている市民団体の統合につながるとよいという声も聞かれた。
 水村さんからは、ボランティアは無償と考えているのでは、という会場からの質問に対し、対価がなくても熱心に活動する、PTAにおける母親のような姿が現にあることを想起させる一方で、NPO法人としてやっていくには有償で行う部分が必要であり、推進市民組織が蓄積したノウハウを市外でも提供して、自ら稼いでいきたいという抱負も聞かれた。
 コーディネーターの犬塚さんは、職員と市民の人口比が1:99であるとしたうえで、これまで1によって担われてきたまちづくりが、2:98や3:97に変わっていき、まちづくりの担い手が少しずつ増えていくというイメージで、今後の方向性を総括した。最後に、水村さんと木下市長からは、互いに「がんばります」との決意表明があった。

●推進市民組織には、準備会委員の多くが残り、「(仮称)まちづくりサポートネット元気な入間」という名称で、4月15日(金)を期日として運営委員を公募中である。準備会委員に新たな顔ぶれが加わって、まさに本格始動する。
 「元気な入間」のまちづくりの特徴は、じっくりと時間をかけながら、担い手を蓄積していっていることである。初めは行政の呼びかけで始まったものかもしれないが、一度関わり出した市民が、その後もずっと関わり続けることで、市民が主役になるための組織が立ち上がるところまできた。
 準備会の顔ぶれも、福祉、教育、文化、スポーツ、環境、まちづくりなど幅広い分野の市民団体のほか、商店街の役員や会社を定年退職したばかりで事務能力に優れた方など、実に多彩である。職員の立場で参加した方たちも、各々に意義を見出し、楽しんで活動していた。「元気な入間」に足を突っ込んだ時期はそれぞれ異なるが、それぞれの個性に合った役割を担ってきた。
 また、準備会事業には、市民活動センターの利用登録団体をはじめ、毎回多くの参加者があった(ケース事業:第1回49名、第2回53名、第3回39名、フォーラム:65名)が、必ずお顔を拝見する方も多く、推進市民組織の運営委員になるかどうかにかかわらず、「元気な入間」に参加しているという意識を持つ人たちが増えたのは確かであろう。

●市民参加で検討しても、答申だけ頂戴したら、後は行政主導で進めます、という発想の自治体が普通だが、結局、行政が笛吹けど市民は踊らずで、行き詰ってしまう例も多い。市民団体も行政に劣らず縦割りの身内主義であるため、なかなか団体同士のつながりが生まれにくく、まちづくりの大きな力にならないのである。
 その点で、市民の手でまちづくりの核となる組織をつくり、団体をネットワークするという、「元気な入間」の推進市民組織のアプローチには、今後も大いに注目したい。もっとも、筆者自身も、「注目したい」などという第三者的な物言いが許されないほどに、「元気な入間」の仲間に足を突っ込んでしまっているようなのであるが。

●準備会の一連の活動は、情報部会が作成したニュースレター『THE 元気な入間』にわかりやすくまとめられている。ホームページでも見られるので、ぜひご覧いただきたい。
 入間市ホームページ 推進市民組織準備会情報部会

 入間市ホームページ 元気な入間TOPページ

「『元気な入間』で中間支援組織を体験するワークショップ開催」『元気な入間』まちづくり推進市民組織準備会が事業開始もご覧ください。

(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)

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