市民参加・協働のまちづくり
| [PR]環境自治体会議で市民参加をテーマとした分科会開催 |
2005/4/30
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●2005年5月25日(水)〜27日(金)の日程で、第13回環境自治体会議が開催される。今年は、東海村(茨城県)で行われる。
全体会と10の分科会で構成されるが、第9分科会は「“ふつう”の市民をどう巻き込むか〜市民参加から環境自治へ〜」となっている。高橋秀行・岩手県立大学総合政策学部教授をコーディネーターとして、各地の環境政策への市民参加の取り組みが報告され、議論される。
環境自治体会議ホームページ (New Topics!より第13回環境自治体会議東海村会議にリンク)
●筆者も、主に審議会制度の改革の現状について、問題提起役を仰せつかっていたのだが、日程があいにく研究旅行と重なってしまい、出席できない。そこで、紙面(A4・2ページ)だけでの問題提起を行うことになったのだが、このテーマへの関心をお持ちの読者のために、同文を以下にも掲載しておく。
先日発刊したばかりの季刊『まちぽっと』4号にも掲載した、公募委員調査2004の結果も引用しているので、両者を合わせてご覧いただければと思う。
(東京ランポスタッフ・庄嶋 孝広)
【第9分科会−問題提起】審議会を変える!−市民参加のための改革のポイント 庄嶋 孝広(NPO法人 まちづくり支援・東京ランポ)
諮問行政への市民参加
自治体の意思形成(条例や計画の策定、施策の検証など)の過程で、様々な市民参加が行われるようになっている。アンケート、パブリック・コメント、市民政策提案手続……。しかし、核になるのは、議論を通して質的に結論を深めていく会議である。そのような会議は、執行機関(ほとんどは首長)との関係で設けられ、役割を担保されるため、「諮問行政」と呼んでおく。諮問行政は、(1)専門知識の確保、(2)利害の調整、が主な目的とされてきたが、新たに(3)市民参加、が加わったのが、90年代後半からの傾向である。
なお、諮問行政を担う会議を整理すると、図のようになる。法形式に着目すればAのような分類となるが、運営の実態に着目するとBとなる。ここでは、Bの分類で考えたうえで、市民参加を目的とした審議会等の改革が、どのような地点にあるのか整理したい。
改革のポイント@−委員構成
委員構成の改革、具体的には、公募で市民委員を採用することである。従来であれば、行政が認める肩書きのある市民への「あて職」が行われていたが、希望する市民が個人の資格でも参加できる機会が確保されてきた。
東京ランポが、東京・埼玉・千葉・神奈川の全市区を対象に行った調査によると、公募委員を採用した会議がある自治体は、1997〜99年度で85.3%(有効回答数129・有効回答率90.2%)、2000〜03年度で96.5%(有効回答数86・有効回答率60.5%)となっており、かなり一般化している。 *但し、市民会議も回答に含めている自治体があるため、審議会等だけになるともっと少なくなる(調査項目からは、両者の判別がつかない)。
もっとも、委員総数に占める公募割合を見ると、上記調査(00〜03年度)では、「少数型」(公募割合20%以下)が49.9%、「バランス型」(同40%以下)が33.8%であり、公募割合の少ない会議が大半である。公募が少数だと、他の委員の専門的な発言を前に発言がしづらくなる、との声をよく聞く。広く市民の意見を反映するのであれば、公募委員を多めに採用して、発言しやすい環境にする必要がある。
一方で、公募によって得ようとする人材が、NPO関係者のような「専門家市民」なのか、生活感覚を期待しての「ごく普通の市民」なのか、これまで整理されずにきた。そのため、行政が意図するタイプとずれた場合に、「専門的な話題では発言が少なかった」などの期待外れの評価が聞かれる結果となっている。「専門家市民」は別枠でしっかり確保したうえで、公募枠では「ごく普通の市民」を採用する、などの整理が必要である。
いずれにせよ、公式には何らの集団も代表するのでない公募委員の採用が、いかなる意味で市民参加を促進することになるのか、自治体として整理して臨む必要がある。
改革のポイントA−運営方法
運営方法の改革は、会議公開に関することと、進行方法に関することに分けられる。
前者は、情報公開の動きに後押しされて、情報公開条例のなかに規定ができたり、会議公開に関する条例(川崎市ほか)が整備されたりしており、上記調査(00〜03年度)でも、公募委員を採用している会議のみの場合であるが、85.5%の会議が公開されている。
一方、後者は、いまだ慣習化した方法で行うものが多数とは思われるが(確たるデータはない)、実際に見聞きしたもののなかには、様々な変化も見られる。
・学識経験者を会長にしないで、市民委員(公募とは限らないが)が進行をする。
・傍聴者に発言を認め、委員以外の関心ある市民の意見も把握する場とする。(豊田市基準)
・行政から案を示さず白紙で諮問して、答申も委員自身が執筆する。
・自由参加のワークショップを並行開催し、集まった意見を審議会等の議論に反映する。
また、対象を市民会議にまで広げると、次のような工夫もある。
・ファシリテーターが模造紙などに議論を記録し、論点の整理や結論の確認を明確に行う。
・議決要件を過半数ではなく3分の2以上とし、ある程度の差がつく意見でないと結論にしない。一方で、全会一致にこだわらないのは、少数意見の尊重のため。
改革のポイントB−審議結果の取扱い
審議結果の取扱い、言い換えると、会議の位置づけは、審議会等については、従来と大きな変化はない。もともと諮問行政における答申は、首長などの執行機関にとっては参考意見でしかなく、法的拘束力はないため、当然のこととは言える。
ただ、従来から、行政に都合のよいところだけをつまみ食いして審議結果全体としては尊重されない、また、行政案の承認機関にしかなっておらず、利害関係などのある問題で行政が責任回避するための隠れ蓑になっている、といった指摘がされてきた。
審議結果の取扱いについては、むしろ審議会等へのアンチテーゼとして、市民会議で様々な改革が試みられている。みたか市民プラン21会議が、市との間でパートナーシップ協定を結び、「最大限計画に反映し、できないものは、その理由を説明する」としたことをきっかけに、同様の協定を結ぶ例が増えている。
また、志木市民委員会のように、自分たちの意見は市民の間の1つの意見(one of them)と自ら明言している例もある。市民同士が議論したらこうなった、それを採用するかは市長の判断であると割り切っている。従って、少数意見があれば、両論併記している。
市民会議の後に審議会等を設置して、二重に検討する例も出ている。その場合、市民会議の代表者が、審議会等にも入ることが多いが、市民会議の「人」を引き継いだことを大義名分にして、「審議結果」の方は参考意見程度の扱いをされてしまう懸念もある。
審議会を変える!−市民参加のための改革のポイント(庄嶋孝広)[PDF版]
※ 「[書評]市民会議と地域創造」もご覧ください。
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